発表会の構成と演出を担当している、舘そらみです。
来週にはもう本番、という12月9日、ひょっこりシアター6回目は開催されました。
劇場2階によくいたカメムシはすっかりいなくなり(練習前にみんなで取るのが日課だった)、厚着のメンバーも増えてきた。
そんな今日は、発表会に向けて、今まで作ったシーンをブラッシュアップしていきます!
まずはウォーミングアップとして、全員が泥棒になるオープニングシーンをやってみる。
1週間ぶりなのに、みんな覚えてるどころか、より素敵になっている!
まとまってるのに個性立っている、そのバランスに、演出家としていつも悶絶してしまいます。
全員出演するシーンの練習のあとは、チームに分かれて練習に次ぐ練習。
今まで作った演劇作品を、繰り返し行い、少しずつ面白さを足していきます。
各チームに劇団員はつきますが、「こうしなさい!」「はい!」のコミュニケーションではなく、「こういうのは?」「あ、じゃあこういうのやりたい!」のやりとりに溢れています。
誰かがそこで声を出すのが難しければ、代わりに「グー!」のサインをみんなで出す。
誰かがそこで止まるのが難しければ、止まらないかっこよさにみんなでのけぞる。
誰もが誰もの長所に乗っかって、笑い転げて、作品はどんどん輝いていきます。
ドラえもんの息子であるドラルーマン。……どうしたらそんな役を思いつけるんだろう。
食い逃げした親子がレストランで働く。シュールとコメディのバランスがたまらない。
会社の先輩に媚びる後輩、の名演技。え、社会風刺?(笑)
レッスン場のあちこちで、たくさんのアイディアが光ります。
ある印象深い瞬間がありました。お坊さん役をやりたいと言ってくれたメンバーに、
「人生において大切だと思うことを、言ってみて」と無茶振りをしてみたのです。
すぐ出てきたのは、「今を大切に生きましょう」という言葉。
それは借り物の言葉じゃなく、心の底からの言葉に思えました。
そう、演劇にはその人自身が滲み出てきます。
まぎれもなく、”自分じゃない役”を演じていて、それは”ウソ”なんだけど、
演じてる状態だからこそ、なぜか”その人の奥底の本当”が出てくる、そんな不思議な感覚になります。
だからどんなに泥棒を演じてもどこか愛らしさが隠しきれなくて、
「高飛車なスーパードクター」を演じても、奥の優しさが全然隠せなくて。
演じるほどに「その人らしくなる」。
そんな、演劇の真髄を、ひょっこりシアターの時間に痛感します。
そして特に嬉しかったのは!しばらく休んでいたメンバーが来てくれたこと。
みんなで拍手で歓迎しました。
晴れて全員揃って、来週の発表会に突入です!
【6回目】
ワークショップ実施日:2023年12月9日(土)
撮影:Reina Sato
文:舘そらみ