2024年1月13日、たじま児童劇団小学生の部、新年最初の活動です。今回の参加者は14人。
まず最初にみんなで一つの円になって座り、ジェスチャーゲームをしました。一人ずつお題を渡されて、その場で即興でジェスチャーをします。わかった人から答えていくポイント制で、正解すると1ポイントもらえます。
はじめこそ「むずかしいむずかしい」といっていましたが、時には自分がお題のものになりきり、時にはお題のものを見ている人になり、機転を効かせたアイディアと、身体を上手に使ってわかりやすく伝えていました。
正解を答えるのもとても早くて、一緒に参加している私もぜんぜん追いつけません。すぐにはお題を表現できないこともありましたが、周りのみんなが見守ったり、表現するアイディアを思いつくためのヒントを伝えたりして、支え合っていました。ただ自分だけがゲームを楽しむだけではなく、「みんなでこのゲームを楽しもう」という姿勢をそれぞれが持っているようで、やさしさを感じました。
ジェスチャーゲームのつぎは、江原河畔劇場でたじま児童劇団中高生の部によって上演された舞台『転校生』の話をして、観劇した児童から感想を聞きました。『転校生』はある朝目覚めると、突然、転校生になっていた少女と、その少女を転校生として迎え入れるクラスの話で、フランツ・カフカの『変身』をモチーフにしている作品です。今回はそんな『転校生』のお話を元に「朝起きたら○○になっていた。」というテーマで三つのグループになって創作をしました。
一つ目のチームは「朝起きたら有名人がパソコンになっていた」という設定です。テレビをみて楽しんでいる少女。そのテレビではアイドルやアスリートなどの有名人が登場する番組をやっています。テレビを見終わった少女は眠りにつきました。すると寝てる間に有名人たちがパソコンになってしまいます。少女が朝起きると枕元にパソコンがあったため、サンタクロースが届けてくれたと大喜びします。早速パソコンを使う少女ですが、パソコンに変えられてしまった有名人たちは、なんとか動こうとして、後ろに倒れてしまいます。しかし、少女はそれに気が付かず、何度もパソコンを起こしてパソコンを使って遊ぶのでした。
二つ目のチームは「朝起きたらお金になっていた」という設定です。同じ財布に入っている五千円札と一万円札が一人ずつと、二人が千円札になっていました。目が覚めて自分がお札になっていることに困惑しますが、それぞれが自己紹介をし、どうやら同じ中学校の同じクラスに通っていたことがわかりひと盛り上がりします。しかし千円札の一人が後ろからひっぱられていなくなり、500円玉として再登場します。みんなはキラキラしている500円玉を羨ましがりますが、端にいた人(?)から本当は一万円札が一番偉いということを伝えられます。その人はレシートでした。レシートは外のことを知っており、クレジットカードと付き合っているようです。その後、お札たちが吸い上げられてだんだんとお札がくずされて、みんなが500円玉になってしまいました。それを見たレシートがみんなを小馬鹿にするように笑います。するとレシートもひっぱられていなくなりました。レシートは帰ってきません。レシートは捨てられてしまったのでした。
三つ目のチームは「朝起きたら聖徳太子になっていた」という設定です。まずたくさんの動物が出てくるシーンで始まります。おもいおもいの動物を演じていました。主人公の青年は朝起きたらなにやら動物の喋っている声が聞こえるようになったようです。洗面所で身支度をしていたら、頭の上に、冠のようなものをかぶっていることに気が付きます。気にせず出発しますが、自分はどうやら聖徳太子になっていることがわかります。いろんな人に囲まれて取材されますが、全てを聞き分け的確に返事をしていく聖徳太子。青年は寿司職人として働くことに決めました。それから三年後、立派な寿司職人になった聖徳太子は、修行を重ね人気の寿司職人として働いています。
1時間に及ぶ創作時間でしたが、みんな難なく創作を進め、あっという間に設定を決めて作品を作っていきます。どの作品も、まさかの設定ばかりで、お客さんの予想を上回る展開が構成されていて驚くばかりです。
同じ場面が続くのではなく、どんどん新しい話題に進んでお客さんをまったく飽きさせません。今回の創作では「これだとまだ普通だ」「もっと動きがあったほうがいい」というまるでプロの現場のような言葉も聞こえてきて、演劇に対する熱意が強まっていることが伝わります。楽しくて真剣なみんなの創作をこれからも見守っていきたいと思います。
【スタッフ 竹内】
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