ひょっこりニュース

ひょっこりシアター2024「演劇創作ワークショップ」9月28日

はじめまして。

10/20(日)ひょっこりシアターの発表会に向けて、はじめて演劇創作ワークショップに参加している加藤(かとちゃん)です。

発表会の制作スタッフとして、参加者とお客さんをつなぐお仕事をします。

昨年12月に江原河畔劇場で初公演を行ったひょっこりシアターですが、今回は2回目の発表会です。活動の輪が地域に広がっていることを感じつつ、初めて創作の場に立ち会う私の視点から初回のレポートを書いてみます。

ひょっこりシアターには、通学している学生から事業所等に通う大人まで、年齢や性別、障害を問わず様々な方が参加しています。昨年から継続して参加するメンバーも多くいますが、この日ははじめて顔を合わせる方もいて、まずはお互いの名前を読み合うことから始まりました。

[車座に座り、お互いの名前を呼び合っている様子]

創作の現場に初めて立ち会って特に印象的だったのは、サポーターズメンバーの存在です。今年は総勢8人のサポーターズメンバーがいて、出石特別支援学校の先生なども休日にはひょっこりシアターの活動を支える一員として劇場に来ています。ワークショップファシリテーターの進行を陰から支えながら、参加者一人ひとりをよくみられていました。参加者のなかにはグループワーク中に適宜休憩が必要な方や、すぐに集中できない方もいる中で、サポーターズメンバーは全体を見渡しながらそれぞれのペースに合わせて支援し、全体の連携をサポートしてくれていました。その広い視点とサポートがとても心強く感じられました。

演劇創作ワークショップは発表会に向けて進み出しました。

今回は「乗り越えていく」ことをテーマに、発表会の構成・演出を担当する舘そらみ(だてっくす)さんから、いくつかのキーワードが提示されました。

[だてっくすさんが用意した20個のキーワード]

ワークショップファシリテーターに与えられた課題も2つあります。

1つ目は、個人の存在が際立つ、特徴的なシーンを創ること。

2つ目は、言葉で説明するよりも先に体で行動すること。

この課題を受けたファシリテーターが入って、5つのグループに分かれてショートストーリーを作りました。

[創作に何のキーワードを取り入れるか話し合う様子]

ワークショップ・創作の全体を通して、参加者同士がイメージを共有して、足りない部分を補い合う姿が印象的でした。時にはその場が砂漠になったり、雪山になったり、立っているのはブラックボックスの何もない劇場ですが、想像力を繋いでいくことで空間そのものが変わっていく瞬間が何度も訪れ、この瞬間こそが演劇の持つ魅力だと感じました。

ワークショップの中で大切にされていたのは「自分で考える」姿勢で、ただファシリテーターの指示に従うのではなく、自分たちの中でイメージを共有して、演劇の根源的な「想像力で物語を繋いでいく」力を発揮することが求められていました。お互いに協力しながら一つのシーンを創り上げる過程は、まさに演劇創作の醍醐味です。

[創作の様子。立ち上がり、全身を使って演技します]

[創作の様子。椅子などの小道具も使います]

[最初のアイスブレイクの様子]

ワークショップが終わった後、ある事業所の関係者の方から声をかけていただき、「普段は引っ込み思案な彼らが、舞台上では全く別人のようになる」と話していました。舞台という場所が、彼らにとって「ありのままの自分を表現できる場所」であり、「何者かになれる場所」でもあることを改めて感じました。

今回のワークショップを通じて、参加者たちがどのように自分を表現し、メンバーと一緒に作品を創り上げていくのかを目の当たりにし、これから発表会にむけてどんな作品が生まれていくのか、とても楽しみです。

制作 加藤奈紬

【ひょっこりシアター2024創作ワークショップ】

ワークショップ実施日:2024年9月28日(土)