たじま児童劇団

2024.08.04[中高生の部]活動レポート

ー2024年8月4日(日)中高生の部 第3回目 活動レポートー

8月4日(日)、今年度3回目の中高生の部でした。
今週の中高生の部もまた、メンバーからお土産が!
夏休みを満喫している様子がうかがえました。

本日の活動は、ゲームと創作の二部構成で行われました。
前半は、舞台に立つにあたって必要な力を鍛えるゲームをたくさんしました。
最初は、2つのミニゲームから。1つ目は、「すりすりトントン」。右手で太ももを撫でます。同時に、左手は握りこぶしをつくり、もう片方の太ももを軽く叩きます。この動作を、太ももから手を離して空中でやってみると、あら不思議。なんだかわけのわからない動きが大量発生していました。
2つ目は、少し特殊なじゃんけんをしました。2人1組になり、お互いの右手を、握手した状態から少し離したところにセットします。その状態でじゃんけんをし、勝ったら自分の手を引き、負けたら相手の手を掴みにいきます。実際にやってみると、勝ったのに手を掴んでしまったり、負けたのについ逃げてしまったり……。

どちらのゲームも、「頭ではルールがわかっていても、身体が追いついてこない」という特徴のあるものです。講師の田上さんは、このような状態を「イメージはできていても、うまく演技ができない状態と似ている」といいました。この先、本公演に向けてお芝居をやっていくメンバーにとって、学びのある時間になったのではないでしょうか。

次は、「名前鬼」をしました。「名前鬼」は、空間把握能力を鍛える進化版鬼ごっこです。鬼から逃げている人が他の人の名前を呼ぶと、その呼ばれた人が鬼になります。一回戦は1〜21の番号、二回戦は海外の人の名前を使い、鬼が誰に変わるかを意識しながら遊びました。鬼がどこにいるか、誰が次に鬼になるかを常に意識しながら、スタジオ内を駆け巡りました。

小休憩の後にやった「聖徳太子ゲーム」は、受信力を鍛えるためのゲームです。
5〜6人1組で行い、中央の聖徳太子役の人は、前後左右のメンバーが同時に行う動作や質問に対応します。正面の人の動きを真似しながら、右側の人の人生相談に応え、左側の人が出す算数問題を解き、後ろの人の昔話や漫才を聞かなければなりません。複数のタスクを同時にこなすため、とても難しそう!けれど、とても楽しそう!

田上さん曰く、演劇をするにあたっては、他の人のセリフや動きを把握したり、舞台上でいま何が起こっているかを常に意識し続けたりする必要があるとのこと。このゲームを通して、まわりの様子に目を向け、情報をキャッチするよい練習になったのではないでしょうか。

さらには、全員で協力する「椅子取り鬼ごっこ」もしました。「椅子取り鬼ごっこ」は、椅子取りゲームと鬼ごっこを組み合わせたゲームです。参加者は椅子にまばらに座り、鬼は空いている椅子に座ろうとします。鬼以外の全員が協力して鬼を阻止するため、空いた椅子に素早く座り、鬼を追い払います。
途中で作戦会議を行い、「鬼から遠い人が動く」「鬼から近い人で必死に動きまくる」「鬼の目線に入っていない人が動く」といった戦略を立てました。最初は動くのが慎重になっていた場面もありましたが、作戦会議後は、全員がよりスムーズに協力することができました。

前半戦の最後は、「スパイゲーム」をしました。このゲームは、10人1チームで行う心理戦です。チーム内に4人のスパイが設定され、スパイは互いに誰がスパイなのかを知っています。チーム内の話し合いでスパイを予測し、怪しい人物を多数決で1人選びます。選ばれた人がスパイでなければスパイチームの勝ち、スパイであれば市民チームの勝ちです。私も実際にチームに入り、このゲームに参加しました。私のチームは最初に1人のスパイを見つけ、さらに2人目も芋づる式に見破りましたが、巧妙な策士があえて疑われるように仕向ける場面もあり、スリリングな展開となりました。相手の言動や表情を観察し、時には勘を頼りに進めていきました。

休憩を取った後は、後半戦の創作に移りました。
空欄が3つあるテキストを配布し、物語の場所と空欄の内容(セリフ)をチームで考えます。その後、別のチームの書いたテキストが配られ、それを演じます。
どのチームのテキストも奇想天外なアイデアが炸裂しましたが、それらを見事に演劇としてかたちにしていきます。全部で7つのオリジナリティがあふれる面白い劇が誕生しました!


①場所:女子トイレ
女子トイレの手洗い場にて、彼氏に三股をされているBさんと、それを励ますAさんが、並んで身なりを整えています。そこに、スキップで登場し、二人の間に割って入る謎の女、Cさん。「あんた誰?」と聞かれると、クラスと名前を早口で名乗りだし、「デュフフ」という特徴的な笑い方をします。これにはお客さんも大爆笑。リアルでない設定なのに、3人の演技からは、どこかの学校で起こっていそうなリアルさが漂っていました。

②場所:映画館
映画館のシートに隣同士で腰掛けるAさんとBさん。Bさんはこれから見る映画が怖いものらしく、ビビっている様子。すると、後ろから突然Cさんが現れます。Cさんの正体は、「3列後ろの席の者」。どうしてわざわざ3列前のAさんとBさんに声をかけたのか。謎が深まるばかりで、この後集中して映画が見られなさそうだと思ってしまいました(笑)

③場所:電球の中
なぜだかどうしてだか、電球の中にいるAさんとBさん。電球という狭い空間の中で、縮こまりながら会話を繰り広げます。そこに、なぜだかどうしてだか、Cさんが入り込んできます。しかも、うつ伏せで寝そべりながら、AさんとBさんにジリジリと近寄ります。椅子を横に倒し、背もたれの部分を内側に向けることで、電球の中を表現していた点も面白かったです。

④場所:廃病院(の受付のカウンター)
廃病院に忍び込んだAさんとBさん。Aさんは余裕そうな表情でどんどん進んでいくものの、Bさんは少し怖がっている様子。すると突然、奥から謎の女性(Cさん)が現れます。正体を尋ねると、「大阪のおばちゃんやで〜!!!!!」。ホラーゲームの世界に見えた人もいれば、大阪のおばちゃんはホームレスで廃病院に住み着いていたという社会派ドラマに見えた人も!さまざまな考察が広がる作品でした。

⑤場所:レストラン
レストランで向かい合って食事をするAさんとBさん。Bさんはパートナーから不倫をされており、2人で不倫の証拠を集めている最中とのこと。Bさんの右手に持っているステーキのナイフにも、力が入ります。そこに、妙にテンションが高く図々しいCさんが現れます。Cさんの正体は、まさかの不倫相手!本当にこの人は不倫相手なのか、それともAさんとBさんの会話を聞いておちょくりに来ただけなのか。世にも不思議な作品でした。

⑥場所:温泉
温泉に入っているAさんとBさん。リラックスしながら温泉に浸かっていると、Cさんが腕でお湯をかきながら2人に近づきます。正体を尋ねるも、自分が誰だかわからないという。しかも、どうやって持ち込んできたのか、「飴いる?」と聞かれる始末。平穏な日常が、何者かによって壊される瞬間を目撃してしまったような気がしました。

⑦場所:エンジン故障中のロケットの中
エンジンが故障したロケットで、能天気そうなAさんと深刻そうな表情を浮かべるBさん。すると、ロケットの扉を開けて、謎の男(Cさん)が入ってきます。彼の正体は、「火星から来た俳優」。今度、火星で上演される演劇の宣伝に来たように見えました。また、知らない人がロケットに侵入してくること自体は怖いと思った反面、火星でも演劇がされているのかと思うと、少し嬉しい気持ちにもなりました。

次回以降の中高生の部の活動は、豊岡演劇祭2024で上演される『転校生』の稽古に入るため、しばしお休みになります。活動がない期間も、目一杯楽しんでほしいと思います!そしてまた一緒に演劇ができる日を楽しみにしています!!

(スタッフ:石川はな)