たじま児童劇団は、江原河畔劇場を拠点に、子ども達と演劇ワークショップをしています。現在は小学生の部(小学4年生〜6年生)と中高生の部、2チームで活動しています。
今日は、小学生の部の活動レポートです!
2022.10.1[小学生の部]活動レポート
10月1日土曜日、今日は児童劇団小学生の部の5回目の活動日でした
2階のスタジオの窓を全開にすると、秋晴れの朝のすがすがしい空気がいっぱいに入ってきます。
今日はなんと、小学生の部の中間発表会の日!劇場にやってくるみんなも、心なしかソワソワしています。今日もアップは「コッパカパーナ」。いつかこのコッパカパーナで中高生の部と対決したいとむらいちゃんが言っています。小学生の部は、今回第二期が始まって初めてメンバー20名全員が集まった日でした。こうして輪になってみると、かなりの大所帯です。アップもそこそこに、早速発表に向けた準備に取り掛かります
9月の活動のときに組んだ4つのチームに分かれて、作品のブラッシュアップを行っていきます。前回のことを思い出しながら、お気に入りのシーンのことを共有したり、もっと面白くするためにやりたいことを話し合ったりしながら試行錯誤をすすめます。前回お休みだった子が新しく参入するチームは、新たなキャラクターを作り出して、既にあるお話の中に組み込んでいきます。今年度からは、アシスタントとして前年度から参加していた劇団青年団の俳優に加えて、芸術文化観光専門職大学の学生の皆さんも参加しています。児童劇団のメンバーの考えた奇想天外なストーリーや、創作の中に垣間見える意思疎通の凄まじいスピードに驚いたり圧倒されたりしながらも、興味津々な様子で参加してくれていました
いよいよ、約束していた発表の時間。おうちの方やお兄さんお姉さん、妹や弟、たくさんのお客さんが集まってくるにつれて、スタジオの中にもいつもとは少し違う緊張感が漂いはじめます。
トップバッターのチームは「レッツ最強カンパニー」。押入れの中にある狭くて暗くてとても窮屈な学校で繰り広げられる奇妙なお話の上演です。ピンチに陥った小学生3人の団結力やあふれるイタズラ心と、先生役のタジタジさのかけあいが魅力的な作品ですが、今回はさらにもう一人、激怒する教頭先生が現れたことによってストーリーに起伏が生まれ、よりダイナミックな上演に仕上がりました。
つぎは、「イヌ&ネコ」の発表。朝の遊園地を舞台に、最後の一人になってしまった遊園地の従業員とそんな遊園地に集まる女子高生のグループ、ふらふらしているおじさん、というなんとも魅力的な登場人物を生み出したグループです。今回の発表では、女子高生を見つけた従業員がお地蔵さんと見間違えて彼女たちにお供物をするシーンがあったり、おじさんが遊園地に雇われたり、登場人物同士を関係させることで、思わずクスッと笑ってしまうような新たな展開を作りました。
そして、「じゃがりこカンパニー」。前回の発表では、キャンプ場の管理棟で充電器を借りたら、管理人さんが全員分の充電コードを抜いてしまうという不穏な終わり方のストーリーを上演しました。今回はそれに加えて、キャンプ仲間の中に高飛車なお嬢様がいたり、そのお嬢様が持っている金貨が実はチョコだったり、新たな要素をいくつも組み込んで、キャンプ場の中を彷徨う登場人物たちと一緒に、観客の予想を何度も裏切る混沌としたお話ができました。
最後に発表したのは、「コアラのマーチ」。ゴキブリがたくさん出る不気味なホテルを舞台にしたお話です。前回は人間の世界とゴキブリの世界を二つに分けて演じたので、その切り替わり方の鮮やかさが印象的でしたが、今回は冒頭からゲジゲジと鳴き声を出しながら舞台を這い回るゴキブリたちを登場させました。野生的なゴキブリたちの人間界への侵食っぷりに観客たちを騒然とさせながらも、ホテルでくつろぐ人間たちの様子をより丁寧に演じたことによって、二つの世界の対比がくっきりと浮かび上がっていました。最後は全員がゴキブリホイホイの中に囚われ、ホウ酸団子を食べて死んでしまうのですが、一番最後のセリフ「みんなゴキブリだったの?」は、前回よりも一層、なんともいえない寂しさを感じるセリフになっていました。
あっという間に終わってしまった中間発表会でしたが、いつもよりも時間をかけて一つの作品に取り組んだことや、お客さんの前で勇気を出して演じ切ったこと、お客さんの予想外な反応を体感して、なんだか少したくましくなった児童劇団メンバーでした
今月はあと2回活動がありますこれからも、みんなが一体どんな楽しい演劇を作ってくれるのか、とても楽しみです。今後も児童劇団チームのみんなに、乞うご期待です!
【スタッフ 山田】