チラシ画像

豊岡映画センター定期上映会 vol.03
シングルマザー5人と演劇ワークショップについてのドキュメンタリー映画

『ラ・カチャダ』

監督
マレン・ビニャヨ

2021年1030(土)

 エルサルバドルの露店で生活の糧を得るシングルマザー5人が演劇のワークショップに参加し、講師とともに劇団「ラ・カチャダ」を立ち上げる。リハーサルを繰り返すうちに、彼女たちは自分たちの生活や状況に向き合うことになる。それは社会全体が許容している、女性に対する不当な暴力のサイクルだった。哀しみを肥った肉体に秘めて陽気にふるまう女たちは、植えつけられたトラウマを乗り越えることができるのか。
 本作が初の長編監督作品となるマレン・ビニャヨは、ラ・カチャダの活動に1年半密着して、その魅力を存分に映像に焼きつけた。

作品提供:山形国際ドキュメンタリー映画祭

山形国際ドキュメンタリー映画祭2019インターナショナルメインコンペティション出品作品

サウス・バイ・サウスウエスト映画祭2019グローバル部門観客賞受賞

⽂化庁「ARTS for the future!」補助対象事業

CACHADA予告編(英語字幕バージョン)
 

【監督のことば】

 私がこの映画の登場人物たちに出会ったのは、2010年、卒業制作となる短編ドキュメンタリーの撮影のために、スペインからはるばるエルサルバドルへ赴いたときのことだった。取材対象である現地のNGO団体が、街頭で物売りをして生活する人々の子どもたちのケアを主な活動内容としていて、マガリやマグダ、ルースやチレノやウェンディは、そんな母親たちのなかにいたのである。


 初めて中米を訪れた私は、このとき、自分とは完全に異質の現実と直面することとなった。私は当時23歳で、自分とそう変わらない年齢の女性が自分とは全く異なる人生を歩んでいて、子どもたちをできるだけちゃんと育てることしか考えていないという事実に、ショックを受けたのだ。


 ところが3年後、エルサルバドルへの移住を果たした私と再会した彼女たちは、なんと舞台の上に立っていた。あの内気で不安げな女性たちが劇団を結成し、家庭や市場での自身の経験を描く、ささやかな演劇の実験を披露していたのである。私は驚いた。そこにいるのが、かつて出会った人と全く異なる女性たちだったからだ。彼女たちはその頃、プロとして初公演となる劇の準備を進めていた。そこで私は、母親としての実体験を語るこの劇が創作される過程で行われる稽古を、一つひとつ撮影していこうと決心した。


 リハーサルを重ねてゆくごとに、幼児期の虐待、10代での妊娠、ジェンダーにもとづく暴力、性的虐待、貧困など、彼女たちの体験してきた恐ろしい出来事の数々を知ることとなった私は、やがて何か本質的な変化が目の前で起こっていることに気づいた。私は、演劇から力を得た女性たちが自らの声を発見するという実験、そのなかで彼女たちが自身を理解し再発見するという実験の立会人となった。そして、暴力的な現実が自分と子どもに対してもたらす影響や、そうした世代間の悪循環と闘い、打破することがこの実験によっていかに可能であるかに彼女たちが気づいてゆく様を、その目で見届けることになったのである。


日時

2021年1030(土)

スマートフォンやタブレットでTIMETABLEが見切れている場合は、左右にスワイプしてください。

10月30日
14:00

17:30
  • 受付開始・開場:開演の30分前
  • 上演時間 81分
  • ★14:00の回の上映後、青年団俳優の福田倫子さんと髙橋智子さんによるトークイベント開催
  • ★17:30の回の上映後、芸術文化観光専門職大学講師でドラマティーチャーの石井路子さんによるトークイベント開催

料金

当日券のみ
一般
1,500
大学生
500
18歳以下
無料

  • *未就学児童はご入場いただけません。
  • *18歳以下の方、大学生の方は、ご観劇当日、受付にて学籍や年齢を確認できる証明書をご提示ください。
  • *江原河畔劇場支援会員特典でご覧いただけます。

チケット発売日

*予約は取り扱っておりません。当日会場までお越しください。

チケット取り扱い

当日券のみ
*予約は取り扱っておりません。当日会場までお越しください。

トークイベント

★14:00のトークイベント

profile211030-cachada_fukuda

福田倫子(青年団・俳優)

女優。二児の母。青森県つがる市出身。市内高校や小学校におけるコミュニケーション教育のワークショップ講師。地元FMラジオのパーソナリティ。発達障害児のための運動療育士。幼児教育インストラクターとして子育て講座等を開催。2000年に当時国家公務員として働く傍ら劇団「青年団」へ入団。2018年に家族で東京から豊岡へ移住。最近は、紙芝居の活動をする。

髙橋智子(青年団・俳優)

東京都出身。俳優/ 青年団・介護福祉士。桜美林大学生時代に平田オリザに出会い、演劇の魅力にハマる。以降、『東京ノート』『銀河鉄道の夜』等の作品に参加。昨年10月末より豊岡へ移住し、現在は江原河畔劇場で劇場スタッフとして働きながら、俳優、ワークショップアシスタント、TAAの理事などの活動を行っている。介護従事者としても10年以上のキャリアを持ち、ALSやSMAの難病をお持ちの方々のコミュニケーション支援を行ってきた。

★17:30のトークイベント

profile211030-cachada_ishii

石井路子(芸術文化観光専門職大学講師・ドラマティーチャー)

ドラマティーチャー。2004年から福島県立いわき総合高校において演劇教育を実践。高校生とプロの演劇人の協働を通じ、飴屋法水作『ブルーシート』(第58回岸田國士戯曲賞受賞)など多数の作品を世に送り出した。2014年度より大阪府追手門学院高等学校表現コミュニケーションコースを立ち上げ、表現教育を行う。2021年より兵庫県立芸術文化観光専門職大学講師。著書に『高校生が生きやすくなるための演劇教育』(立東舎)

ご来場のお客様へ

  • ご来場の際には必ずマスクの着用をお願いいたします。
  • ご入場時に検温させていただきます。ご協力をお願いいたします。
  • 公演当日、37.5度以上の熱がある方、風邪などの症状がある方、体調が優れない方は、ご来場をお控えください。
  • キャンセルのご連絡は江原河畔劇場(0796-42-1155)までお電話ください。

お問い合わせ

豊岡映画センター
[HP]豊岡映画センターHP
[メール]toyooka.eiga@gmail.com
主催
豊岡劇場・豊岡映画センター