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無隣館インターナショナル|国際展開レポート

無隣館インターナショナルでは、さまざまな研修と実践を通して、国際的に活躍できる若手クリエイターの育成・支援を行っています。

海外展開に向けた基礎講座や合宿研修、国内での字幕付き上演のほか、海外フェスティバルの視察、作品や翻訳言語の選定、翻訳字幕の作成など、受講するアーティスト一人ひとりの活動に合わせた取り組みを進めています。

これまでに、エジンバラへ穴迫信一・藤井颯太郎を、ダブリンへ新垣七奈・奥田祐を、ソウルへ升味加耀・山本ジャスティン伊等・山本真生を、チリへ松本一歩を、それぞれ派遣してきました。
今回のレポートでは、2025年10月から11月にかけてチリへ派遣した松本一歩(俳優・劇団「平泳ぎ本店」主宰)についてまとめています。

 松本一歩について

松本一歩は1989年愛知県生まれ。早稲田大学文学部演劇映像コースを卒業後、文学座附属演劇研究所に3年間在籍し、俳優としての基礎を築きました。2015年、同世代の仲間たちと演劇カンパニー「平泳ぎ本店(Hiraoyogi Co.)」を旗揚げし、以降、俳優・演出・制作・ドラマトゥルクとして活動しています。

「平泳ぎ本店」は、東京・新宿区早稲田を拠点に、地域に根ざした演劇活動を展開するカンパニーです。俳優向けの基礎トレーニングを無料で開放するほか、クラウドファンディングによる野外劇の上演環境整備を行うなど、活動は多岐にわたります。2024年5月には、戸山公園野外演劇祭で『若き日の詩人たちの肖像』(原作:堀田善衞)を上演しました。

今回のチリ派遣のきっかけとなったのは、富山県・利賀村(SCOT)での出会いです。
チリ北部のアリカを拠点にするカンパニー「MB2」の芸術監督であるフェルナンド・モンタナレス氏は、鈴木忠志氏が確立した「スズキ・メソッド」を学ぶために利賀村を訪れた経験があり、そのメソッドを自身の芸術活動やチリでの指導に取り入れています。松本は利賀村で自身と同い年のモンタナレス氏と出会っており、この縁が今回のチリ派遣につながりました。

海外派遣にあたっては、受講生自身が企画書を作成し、平田オリザとの面接を経て渡航先を決定する仕組みをとっています。今回のチリ視察は松本自身の企画によるもので、利賀村での出会いを起点に、公的助成を得てチリへ派遣しました。

アリカ、イキケ、サンティアゴでの活動

アリカでは、芸術監督フェルナンド・モンタナレス氏らのカンパニー「MB2」に帯同し、地元の小中学校向けワークショップや、フェスティバル「ESCENA MOVIDA」の運営に参加しました。

イキケでは国際舞台芸術祭「FINTDAZ」に参加し、10演目以上を観劇。南米各国のプログラマーとの交流も行いました。

そのほか、サンティアゴから招かれた舞踊家によるワークショップ、フランスの振付家クロード・ブルマション氏のワークショップ、スペインのカンパニー「Esa Gente」の子ども向け作品の鑑賞など、多彩なプログラムに参加。

サンティアゴでは、劇場ネットワーク「RED SALAS DE TEATRO」など、政府の助成を活用しながら劇場同士が連携する仕組みにも触れました。

派遣を経て|クリエイター支援基金 進捗報告会での報告

2026年6月には、「令和8年度クリエイター支援基金 進捗報告会」の分科会(海外展開の好事例)に松本が登壇。
チリでの滞在を通して見えた、南米の演劇ネットワークの強固さについて報告しました。「優れた作品を輸出するだけでなく、自身の足場であるコミュニティへ何を還元できるかが問われている」と、活動拠点を持つことの重要性を説きました。
[クリエイター支援基金|令和8年度 進捗報告会 分科会レポート]

▼https://creator.ntj.jac.go.jp/report/6066


─ 今後のレポートについて ─
無隣館インターナショナルでは今後、事業の内容をレポートとして順次ご紹介していきます。
現在、19名の受講生が参加しています。受講生のプロフィールは、江原河畔劇場Webサイトでご紹介しています。
▼ https://ebara-riverside.com/murinkan-international/