夏めく日差しと、川から吹くひんやりとした風が心地いい中、江原河畔劇場で「えんげきワークショップ」が開催されました!誰でも参加できるワークショップに、但馬地域内外から約30名が参加しました。参加者は5歳から70代までと幅広い年代にわたりました。初めましてのかたもちらほら。ちょっぴり緊張感が漂う中、ワークショップがスタートしました。
まずは、お互いの名前が知りたい!ということで、名前をあいうえお順に並び替えるゲームから!お互い胸元に貼った「今日呼んでほしい名前」を見せあいながら移動していきます!さすがにこの人数を一回で全員覚えるのは難しそう。でもなんとなくこんな人がいるんだなとふんわり分かったところで、お次は、誕生日順に並び替えます。なんと、声を使わずに並び替えます!みなさん最初は戸惑いながら、必死に指や口の動きで自分の誕生日を伝えなんとか並んだ!と、思ったのですが、答え合わせをしていくと、あれれ?12月の中に11月がまぎれてしまいました。月が2桁の人は、両手で一気に伝えられないため、難易度が高かったようですが、みんなが笑いあえる和やかな雰囲気が生まれました。
お次は「地図を作る」ワーク。スタジオの収納室側の角を北海道、裏階段側の角を沖縄としてそれぞれがいた場所をマッピングしていきます。2026年5月16日14時わたしたちは兵庫県豊岡市にいます。そこから、2025年、2024年…と1年ずつさかのぼって、その時どこにいたのかをスタジオの中を移動しながら表していきました。途中、福知山界隈の終結に生き別れの友を見つけたような感動が生まれたり、毎年大移動をしている参加者に驚いたり、2010年代にはERSTスタッフが東京に固まったり、ともちんが欄外のアメリカに行ってしまったりと、それぞれが歩んできた歴史が垣間見えました。しかし1980年まで来たところで、参加者の約7割がまだ生まれていない時間軸に。これ以上はやめておきましょうということで次のゲームに移ります。
ここからチームに分かれてのワーク。まずはチーム名を決め、チームの団結を図ったところで、チーム対抗ジェスチャー早当てゲームをしました。チームから一人、村井ちゃんからのお題をジェスチャーで表現し、チームメイトがそのお題を当てていきます。正解が出たらジェスチャーをしている人が「はい」と手を上げ、一番早かったチームにポイントが入ります。
最初の簡単な問題は余裕だったのも束の間、難易度はみるみる上がっていきます。難しくなってくるごとに身体の動きも大きくなっていく参加者。
村井ちゃんからお題を聞き戻って来るや否や、座っていた椅子をよけ、十分なアクティングエリアを確保したり、ポテトチップスがどうしても伝わらず、普段ポテトチップスを食べているときの体勢でしょうか、どかっと寝転がり全身でお題を表現したり。また次のお題では、全チームのジェスチャーをする人が急にグループの輪から飛び出し、ちょっと離れたところでゆっくりと何かを見つめる素振りで歩き回り始めます。答えは「美術館」。さらにいちばん苦戦した様子だったのが「神様」のお題。神社やお寺、仏像等惜しい回答が続く中、自分を指さす参加者も。神社の中にいる方と言いたかったとのこと。
ラスト4問のところで、むらいちゃんから得点アップが宣言されると、スタジオがしんと静まり返り、集中が張り詰めます。そして正解の瞬間、ハイタッチをする場面も。特大ポイントの逆転で、優勝は、だっふんだバイキングチームに決まり、大白熱のジェスチャーゲームは終了。身体がほかほかに動き出し、緊張感はどこかに飛んで行ってしまいました。

休憩をはさんで、チームごとに、お題を決めてジェスチャー創作をして発表しました。
●夏みかんチーム「アイスクリーム」

お客さんが二人アイスクリームを求めてやってきました。さらにアイスも溶かしてしまいそうなラブラブカップルの登場に観客は大爆笑。その時いきなり野良犬が現れます。驚きのあまりアイスを落としてしまうお客さん。そこでアイス屋の店主が見事なメンチで野良犬を追い返します。そして、全員に新しいアイスを手渡し、穏やかな時間が戻ってきました。物語の熱の緩急に、次の展開がとてもわくわくするお話でした。
●だっふんだバイキングチーム「映画撮影」
大女優の綾瀬はるかが現場入りすると、ベテランのメイクさんがメイクアップし始めます。ADさんも現場を駆け回りあわただしくセッティングをしていきます。するとドナルドダックが現場に到着。手をパクパクさせてキャラクターの特徴を魅力的に表現していました。そのようすをチラ見しながら、台本を読み進める綾瀬はるか。
そして監督が到着し、現場は張り詰めた空気になります。緊張感の中カメラマンが立ち位置を細かく調整をかけ、撮影が始まります。しかし、カットの合図を間違えてかけてしまったADは怒られてしまい、リテイクがかかります。リテイクの結果はOK!現場の緊張の糸はふっと溶けていきました。
それぞれの役の解像度がとても高く、細やかなプロフェッショナル性が輝いていました。
●はあまゆなゆいチーム「水族館」

お客さんが二人、水族館にやってきました。まず見えるのはクラゲの水槽。元気にお客さんに近づいて猛アピール。そこでペンギンのお散歩タイムが始まりました。ペタペタと飼育員さんのもとによってきて口をパクパク餌をねだります。かわいらしいペンギンにお客さんは夢中になり、餌やり体験をします。ペンギンに人気をとられたクラゲは、悔しそうに去っていきました。そしてイルカとオットセイのショーが始まりました。楽しそうに泳ぐイルカを見たペンギンが一緒に泳ぎだします。そしてお客さんと飼育員も小魚に変身してプールに飛び込んでしまいました。楽しくかわいらしい水族館から、幻想的な姿へと変わっていく様子に、とてもひきつけられました。
●パンダチーム「警察官」
なんと観客席後ろから始まり、スタジオを大きく使っていました。
上品な車が赤信号で止まっていたら、後ろからいきなり、親子を載せた車がアクセル全開で信号無視をしていきました。すると、幕の裏から待ち構えていたようにパトカーが飛び出し、違反車両を止めに入ります。警察官にこってり叱られる、運転手のお父さん。娘がちょっとあきれた表情で遠巻きに見ています。その横を、上品な車が、怒られている車を横目にしたり顔で追い抜いていきました。
それぞれの表情から感情の変化が見られ、思わず笑ってしまう素敵なお話でした。
●おいしそうチーム「ラーメン屋さん」
ラーメン屋に二人組のお客さんがやって来るのですが、メニュー表を見ながらなかなか注文が決まりません。店員さんも壁に掛かったメニューを見つめており、相当な数のメニューがあるのだろうと想像させられました。やがて注文が決まると、職人のような手つきで麺を湯切りし、手際よくラーメンが提供されていきます。一組が食べ終わったかと思えばすぐに次のお客さんが入り、店の外には長蛇の列ができていました。演者一人ひとりが情景や役を丁寧にイメージしながらジェスチャーで表現しており、店の設定や空気感の細かさが伝わってきて、とても面白かったです。
約2時間半の大白熱のワークショップ。はじめましての方も、また来たよって方も、演劇と劇場を楽しんでいただけていましたら幸いです。江原河畔劇場スタッフ一同、皆さまのまたのお越しをお待ちしております。
以上、アシスタントのなーやんでした。
