ワークショップについて一緒に学びませんか?
2010年度に文部科学省の「児童生徒のコミュニケーション能力の育成に資する芸術表現体験事業」が始まって以降 、《演劇的手法を活用したコミュニケーション・ワークショップ 》の需要は高まっており、国公立の小・中・高校・特別支援学校だけでなく、地域自治体が主導して、公立全校にコミュニケーション教育を導入するケースも増えています。近年では教育のほか、介護・医療、防犯 ・防災、多文化共生といった地域課題を共有し協働を図る手法のひとつとして「演劇 」が取り入れられ、また 、ビジネスの世界でもグローバル化に起因する多様性を巡る問題、世代間や組織間に生じる相違を解決する方策に活用されています。
<江原河畔劇場の取り組み>
・豊岡市の全小学1,2年生対象の演劇ワークショップ授業
・兵庫県北部、南部、京都府北部、大阪府の学校での演劇ワークショップ授業
・特別支援学校でのワークショップ
・地域の企業、商工会議所、商工会青年部等での研修内のコミュニケーションワークショップ
・子育て世代対象のコミュニケーションワークショップ
様々なケースに対応してワークショップを実施してきた江原河畔劇場では、これまでに実施した内部研修の蓄積と劇場のネットワークを活かし、全国で活躍するゲスト講師陣を迎えた「ファシリテーター養成講座」を開催します。前期9回/後期5回(全14回)を通して、現場のニーズに応じてワークショップのプログラムをデザインし、参加者を的確に見取り適切に進行できるファシリテーター、および、ニーズを開拓してワークショップを企画し、実施環境を整えるコーディネーターの育成を目指します。近い将来、社会の様々な分野で活躍するためのスタート地点として、本講座を捉えていただければと思います。
皆さんのご応募をお待ちしています。
江原河畔劇場
○対象
ワークショップに関心を持ち、学校や地域の現場で活動するファシリテーター、コーディネーターを目指す実演家・スタッフ(俳優、演出家、劇作家、制作者など)
○参加資格
前期、後期を通年で参加できる方
○参加費
無料
○募集人数
30名程度 (応募多数の場合は選考あり)
○応募方法
こちらの申込フォームに必要事項を記入の上、ご応募ください。
【申込締切:2024年5月20日(月)23:59必着】
*選考結果は、5月26日(日)までにご連絡します。
○実施概要
日程:2024年6月〜2025年3月 全14回
◉前期ワークショップ講座
回 | 日程 | 時間 | 講師 | 講座内容 |
---|---|---|---|---|
第1回 | 6月6日(木) | 19:00~21:30 | 平田オリザ | 体感コミュニケーションゲーム -授業への導入にあたって- |
第2回 | 6月13日(木) | 19:00~21:30 | 田野邦彦 | “演劇を活用する”ワークショップ、を理解する |
第3回 | 6月20日(木) | 19:00~21:30 | わたなべなおこ | ファシリテーターに必要なものってなに? |
第4回 | 6月22日(土) | 10:00~12:30 | 白神ももこ | ゆるやかにつながるためのダンス |
第5回 | 6月28日(金) | 19:00~21:30 | 多田淳之介 | 教えないワークショップ |
第6回 | 7月4日(木) | 19:00~21:30 | 平田オリザ | 主体的、対話的で愛のある学び -大学入試改革から見た新しい学校観、新しい教育観- |
第7回 | 7月17日(水) | 19:00~21:30 | 平田オリザ | わかりあえないことから -コミュニケーション教育の現在地- |
第8回 | 7月21日(日) | 14:00~16:30 | 田上豊 | ワークショップデザインのために知っておくとトクすること |
第9回 | 7月27日(土) | 14:00~16:30 | 村井まどか | オリジナルのワークショップをつくろう |
◉後期ワークショップ講座
ワークショップの現場見学および現場実践
チームに分かれてオリジナルワークショップの創作と実践
回 | 日程 | 時間 | 講師 | 講座内容 |
---|---|---|---|---|
第1回 | 9月29日(日) | 13:00~18:00 | 杉山至 | セノグラフィーワークショップ (コミュニケーションとデザインの関係を体感する) |
第2回 | 10月6日(日) | 14:00~16:30 | 村井まどか | 創作プログラムの対象者、内容、概要の発表 |
第3回 | 10月26日(土) | 20:00~12:30 | 村井まどか | 12月2日の実践のためのファシリテーション演習 |
第4回 | 11月2日(土) | 10:00~13:00 | 村井まどか | 児童劇団(小学生の部)ファシリテーション実践 |
第5回 | 11月3日(日) | 13:00~15:30 | 岩下徹 | 「少しずつ自由になるために」 (自己と向き合う・他者と関わる) |
第6回 | 1月25日(土) | 13:00~15:30 | 村井まどか | お試しワークショップ準備 |
第7回 | 2月1日(土) | 14:00~18:00 | 村井まどか | ワークショップ研修参加者内でのお試しワークショップ |
第8回 | 2月2日(日) | 10:00~17:00 | 村井まどか | ワークショップ研修参加者内でのお試しワークショップ |
第9回 | 3月8日(土) | 10:00~17:00 | 村井まどか | 受講者一般公募でのお試しワークショップ+フィードバック |
第10回 | 3月9日(日) | 10:00~17:00 | 村井まどか | 受講者一般公募でのお試しワークショップ+フィードバック |
○会場
江原河畔劇場
〒669-5311 兵庫県豊岡市日高町日置65-10
https://ebara-riverside.com/
○お問い合わせ
江原河畔劇場 0796-42-1155(10-16時、公演期間以外日曜休館)
○講師プロフィール
平田オリザ
劇作家・演出家。芸術文化観光専門職大学学長。劇団「青年団」主宰。江原河畔劇場芸術総監督。豊岡演劇祭フェスティバルディレクター。豊岡市芸術文化参与。 1995年『東京ノート』で第39回岸田國士戯曲賞、2019年『日本文学盛衰史』で第22回鶴屋南北戯曲賞を受賞。2011年フランス文化通信省より芸術文化勲章シュヴァリエ受勲。小中学校の国語教科書にも平田のワークショップの方法論に基づいた教材が採用され、多くの子どもたちが教室で演劇を創作する体験を行っている。2019年より日高町在住。但馬地域をはじめ全国の学校で演劇手法を活用したコミュニケーション教育にも取り組んでいる。
田野邦彦
演出家/ワークショップ・デザイナー 洗足学園音楽大学ミュージカルコース准教授 RoMT主宰/NPO法人PAVLIC理事 2005年より自身の演劇ユニットRoMT(ロムト)を主宰し、シェイクスピアなど海外戯曲の日本語上演を中心に活動。近年は演劇のみならず新作オペラやミュージカル、また2022年には浅草・東洋館にて行われた浅草オペラの演出を手掛けるなど、ジャンルや会場の規模にとらわれない多彩な活動を展開。ワークショップ・デザイナーとして、全国各地の小・中・高校でコミュニケーション教育を目的としたワークショップを実施する他、様々な社会テーマと演劇を掛け合わせたワークショップ・プログラムのデザインやファシリテート、また人材育成事業などにも数多く携わっている。 現在、青山学院大学、慶應義塾大学、四国学院大学、大学院大学至善館などでも講師を務めている。
わたなべなおこ
演出家/ワークショップファシリテーター/劇団あなざーわーくす主宰/NPO法人PAVLIC理事 兵庫県赤穂市出身。神戸大学卒業。1988年より中央戯劇学院(北京)に留学。 2000年、劇団あなざーわーくすを設立。新しい舞台表現の可能性を追求し、観客参加型の スタイルである「レクリエーション演劇」を独自に開発。斬新な舞台空間と楽しい演出が 日本各地で好評を得ている。 また、ワークショップ・ファシリテーターとしても、幼稚園児から80代のおじいちゃんまで 様々な年代を対象にワークショップを行い、全国各地で活躍している。豊岡市では、2019年 より非認知能力向上対策事業「演劇ワークショップ」の講師を務めている。
白神ももこ
振付家/演出家・ダンサー/ダンス・パフォーマンス的グループ「モモンガ・コンプレックス」主宰/富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ芸術監督
モモンガ・コンプレックスでは、全作品の構成・振付・演出を担当。無意味・無駄を積極的に取り入れ、生活の中の些細なできごとやダンス以外の表現方法も自由に取入れユニークな空間を醸し出す。 フェイスティバル/トーキョー20にてミュージカル的ダンス・パフォーマンス『わたしたちは、そろっている。』構成・演出。木ノ下歌舞伎、デフ・パペットシアター・ひとみに演出・振付、オペラシアターこんにゃく座に振付参加など。 2017—2018年度セゾン文化財団ジュニアフェロー 四国学院大学、桜美林大学非常勤講師 https://momongacomplex.info/
多田淳之介
演出家。東京デスロック主宰。古典から現代戯曲、ダンス、パフォーマンス作品まで幅広く手がけ、現代社会に於ける当事者性をアクチュアルに問い続ける。公共劇場の芸術監督や自治体のアートディレクター、フェスティバルディレクターなどを歴任し、国際・教育・地域を活動の軸に国際交流や地域や学校でのアートを活用したプログラムを数多く手掛ける。日韓合作『가모메 カルメギ』にて韓国の第50回東亜演劇賞演出賞を外国人演出家として初受賞。女子美術大学、四国学院大学非常勤講師。(財)地域創造リージョナルシアター事業派遣アーティスト、(財)地域創造公共ホール音楽活性化事業コーディネーター。
田上豊
劇作家/演出家/田上パル主宰 1983年生まれ熊本県出身。桜美林大学文学部総合文化学科卒業。 キラリふじみでは、2008年より3年間、キラリンク☆カンパニーとして劇団活動。2019年より富士見市民文化会館キラリふじみの芸術監督を1期3年務める。移りゆく時代の中で揺らぐ人間やその集団を描き出すのを得意とする。劇団外でも公共劇場プロデュース公演やダンスカンパニーとの合作、国際共同事業など様々な活動を展開。近年は全国各地の小学生から高校生までを対象にした作品創作を精力的に行い、地域性を生かした演出法に定評がある。 創作型、体験型、育成講座まで幅広くワークショップも行う。 地域創造派遣アーティスト。奈良市アートプロジェクト舞台芸術プログラムディレクター。芸術文化観光専門職大学助教。
村井まどか
劇団青年団俳優/一般社団法人江原河畔劇場代表理事 桜美林大学で演劇やアートマネージメントを学び、在学中2003年に平田オリザ主宰の劇団青年団に入団。『S高原から』『ソウル市民』『冒険王』などの劇団の代表作品に多数出演。 2012年から様々な現場でワークショップファシリテーターを務める。特に演劇的手法を用いたコミュニケーションワークショップを学校や福祉施設、地域団体や企業などに幅広く実施し、国語科目や婚活パーティー、認知症支援者向けなど、ワークショッププログラムの開発も手掛けている。江原河畔劇場が行なっている「たじま児童劇団(小学生の部)」や障害のある方を主な対象にした「ひょっこりシアター」のメインファシリテーターを務める。
岩下徹(いわした・とおる)Toru Iwashita <即興ダンス>
<交感(コミュニケーション)としての即興ダンス>の可能性を追求。
1957年東京生まれ。82~85年石井満隆ダンスワークショップで即興を学び、83年ソロ活動開始。かつて精神的危機から自分のからだを再確認することで立ち直ったという経験を原点とするソロダンスは、等身大のからだひとつで立つことから始まり、場との交感から生まれる即興として踊られる。代表作に、「みみをすますー谷川俊太郎同名詩より」、音楽家達との即興セッション等。1989年より滋賀・湖南病院(精神科)で精神医療の専門スタッフと共に「ダンス・セラピーの試み」を継続実施中。日本ダンスセラピー協会顧問。桜美林大学非常勤講師。国際的な舞踏カンパニー<山海塾>元 舞踏手。
https://www.facebook.com/toru.iwashita.52
主催・運営
一般社団法人 江原河畔劇場
助成
文化庁文化芸術振興補助金
劇場 ・音楽堂等機能強化推進事業(地域の中核劇場・音楽堂等活性化事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会